おしえてデンシー!
遺伝のフシギ
いますぐ誰かに話したくなる、
すばらしい遺伝子の世界へようこそ!
第14回:突然変異と進化のフシギ(前編)
遺伝子はカラダの設計図であり、生涯変わらないものだよね。
ということは、多くの人の遺伝子と比べて塩基がひとつだけ置き換わっていたり(SNP)、抜けていたり、新たに挿入されていたりする「変異(へんい)」って、
生まれたときから決まっているのかな……?
基本的にはそうなんだけど、実は、変異ってけっこう日常的に起こっていることなんだ。
というのも、全身のカラダの細胞がすべて同じ遺伝情報を持っているのは、
細胞分裂のときにDNAが丸ごとコピーされるからなんだけど、
ときどきコピーミスが起こって、別の塩基配列に変わってしまうことがあるのさ。
【DNAのコピーミスによる変異の例】
ほかにも、タバコや薬に含まれる化学物質や紫外線など、外からの刺激でも変異は引き起こされているんだけど、そのつど細胞の修復機能がはたらいて、
元通りになっているんだ。
気づいていないだけで、カラダのなかではDNAの変異と修復が日常的に
繰り返されているのさ。
でもごくまれに修復もれがあって、そのままになっちゃうことも……!
この修復もれが、精子や卵子の細胞にあるDNAに起きると、
カラダの設計図が書き換わるから、親にはない特徴が子どもに伝わることになるよ。
これが「突然変異」の正体さ!