おしえてデンシー!
遺伝のフシギ

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第13回:ワイルド!?それともホモ!?

前回「酒豪も下戸も、DNAはほとんど同じ!?」で解説したSNP(スニップ)とは、
DNAの塩基がひとつだけ置き換わっている現象のことだったよね。

一見単純なようだけど、染色体は父親と母親から23本ずつ受け継いでいるから、
たとえばアルコール代謝に関わる「ALDH2遺伝子」を調べると、
父由来と母由来のどちらかひとつにSNPがある人と、
父由来と母由来の両方にSNPがある人がいるのさ。

なのでSNPは3種類のタイプに分けることができて、
父由来と母由来のどちらにもSNPがないケースを「ワイルド」、
どちらかひとつにSNPがあるケースを「ヘテロ」、
両方にSNPがあるケースを「ホモ」というよ。

ヘテロもホモもSNPがあるという点では同じだけど、
父由来と母由来のどちらかひとつが置き換わっているヘテロより、
両方の塩基配列が置き換わっているホモのほうが、
SNPの影響が大きいと考えられているよ。

塩基配列の個人差には、このSNPのほかにも、
CAG CAG CAG CAG CAGみたいに数塩基の繰り返す回数が多いとか、反対に少ないとか、 DNAの一部がごっそり抜けていたり、その逆に、新たな塩基配列が挿入されていたりするなど、いろいろな種類があるんだ。

これらの塩基配列の個人差は、まとめて「変異(へんい)」と呼ばれているよ。
遺伝子検査をするとこの変異を調べることができるから、
体質の傾向や病気のリスクなど、いろいろなことがわかるのさ!