おしえてデンシー!
遺伝のフシギ

いますぐ誰かに話したくなる、
すばらしい遺伝子の世界へようこそ!

第12回:酒豪も下戸も、DNAはほとんど同じ!?

自分と他人、違うところはいくらでも挙げられるけれど、
人間同士のDNAの違いって、実はたったの0.1%ほど。
男と女も、アメリカ人と日本人も、見た目や中身がどんなに違ったって、
DNAでいえば99.9%同じなのさ。

では違っている0.1%は何かというと、A(アデニン)、T(チミン)、
G(グアニン)、C(シトシン)の4つの塩基の並び方の違いだよ。
塩基配列はたんぱく質のレシピのようなもので、
ATCと並んでいればイソロイシン、CGCならアルギニンというアミノ酸をあらわし、
カラダの決められた場所に決められた量のたんぱく質が作られるようになっているんだよ。
(詳しくは、第3回第4回「DNAは暗号だらけ!?」を見てね!)

塩基配列の個人差にはいろいろな種類があるけれど、特定の部分の塩基が
ひとつだけ置き換わっている現象をSNP(スニップ)というよ。
塩基がたったひとつ置き換わっているだけでも本来とは違うたんぱく質が
作られてしまうことになるから、体質に大きく影響する場合も。

SNPの図
たとえば、お酒に強い人と弱い人。
アルコールの分解には"アセトアルデヒド脱水素酵素"というたんぱく質が関わっていて、
この酵素に関係する部分の塩基配列にもSNP(スニップ)があるんだ。
塩基の並びがGAA(グルタミン酸)の人は酵素のはたらきがよいのでお酒に強く、
AAA(リジン)の人は酵素があまりはたらかないのでお酒に弱いというわけさ。

酒豪と下戸
人間の塩基は30億個も延々と並んでいるんだけど、
GとA、たったひとつの塩基の違いがお酒に強い人、弱い人の差になるなんて、驚きだね!