第11回：隔世遺伝のナゾ

「パパもママも目がふたえなのに、あれ？子どもがひとえ！
あっ、おじいちゃんがひとえだ！この子はおじいちゃんに似たのね」

祖父母の特徴が、1世代とびこえて孫にあらわれることを「隔世遺伝」というけど、一体どうして起こるのかな？

人は父親と母親の両方から遺伝子を受け継いでいるから、
たとえば、まぶたがひとえになるか、ふたえになるかに関わる遺伝子も、
「（父親から）ふたえ／（母親から）ひとえ」みたいに2個セットで受け継いでいるよ。

このセットが「ふたえ／ふたえ」の場合、この人はふたえになるよ。
「ふたえ／ひとえ」と「ひとえ／ふたえ」の場合も……なんと、ふたえ！
「ひとえ／ひとえ」の場合だけ、ひとえになるんだ。

これは、ふたえが表に出やすい遺伝（優性遺伝）で、
ひとえは出にくい遺伝（劣性遺伝）だからなのさ。
ふたえがひとつでもあればふたえになるけど、
ひとえはふたつそろわないとあらわれないんだね。

父親と母親が「ひとえ／ふたえ」もしくは「ふたえ／ひとえ」のセットを持っている場合、ふたりともふたえだけど、ひとえの遺伝子もちゃんと持っているんだよ。
だからその子どもが受け継ぐ組み合わせは、
「ふたえ／ふたえ」「ふたえ／ひとえ」「ひとえ／ふたえ」「ひとえ／ひとえ」の
4パターンあって、「ひとえ／ひとえ」で受け継げば、
子どもはひとえになるんだね。

祖父母の特徴が両親の世代では隠れていて、孫にあらわれたというわけさ！
隔世遺伝て、なんだかかっこいい！