おしえてデンシー!
遺伝のフシギ
いますぐ誰かに話したくなる、
すばらしい遺伝子の世界へようこそ!
第10回:そっくりな兄弟は、あるイミ奇跡?!
人間の染色体は、父親から受け継いだ23本と、母親から受け継いだ23本をあわせて、
合計46本。父由来と母由来はペアになっていて、
わかりやすいようにペアごとに通し番号がついているんだよね。
だけど、精子が持っている染色体は、半分の23本なんだ。
この23本て、父由来の23本? それとも母由来……?
どちらもNO!!
通し番号1番なら父由来、2番なら母由来というように、
父由来か母由来のどちらかがランダムに選ばれるんだ。
そうすると、23本それぞれにふたつの選択肢があるから、2の23乗で、840万通りもの組み合わせがあるんだよ!
卵子の染色体も、同じように840万通り。
840万通り×840万通りで、受精卵の染色体の組み合わせは、なんと約70兆通りにも!
だから同じ夫婦の子どもであっても、まったく同じ遺伝情報を受け継ぐ可能性は、限りなくゼロに近いよね。兄弟姉妹で受け継いだ遺伝子が近ければよく似ているし、遠ければあまり似ていないというわけさ。
他人であれば、もっと遺伝子が違うから、地球上に何十億の人間がいても、一卵性双生児を除いて、まったく同じ遺伝子の人間はひとりもいないんだね。
いろいろな人がいるってことはとても楽しいけれど、それだけじゃなく、遺伝子が多彩であればあるほど環境の変化に対応できて、種が生き残る上で有利なんだって。
ほんと、遺伝の仕組みってスゴイよね!